トランプ氏の仲裁ほごに=タイ・カンボジア衝突が再燃―「脅威なくなるまで継続」

トランプ氏の仲裁ほごに=タイ・カンボジア衝突が再燃―「脅威なくなるまで継続」

タイ首相「軍事行動を継続」

トランプ氏の仲裁ほごに=タイ・カンボジア衝突が再燃―「脅威なくなるまで継続」

タイのアヌティン首相(写真左)とカンボジアのフン・マネット首相(AFP時事)

 【バンコク時事】トランプ米大統領は12日、国境紛争が再燃したタイとカンボジアの両首脳とそれぞれ電話会談し、両国が戦闘停止で合意したと発表した。しかし、攻撃の応酬はやまず、タイのアヌティン首相は13日、軍事行動の継続を表明。トランプ氏の仲裁はほごにされた形で、事態は一段と深刻さを増した。

 トランプ氏はアヌティン氏とカンボジアのフン・マネット首相とそれぞれ協議。その後、両首脳が「あらゆる発砲を停止し、私と交わした和平協定に立ち戻ることで合意した」と表明した。

 しかし、タイ国防省報道官は13日の記者会見で、カンボジア側がトランプ氏の発表と前後してタイ東北部など4県で民家などに砲撃を加えたと説明。13日朝も攻撃があったと訴えた。同省はタイの兵士4人が死亡したと発表した。アヌティン氏はフェイスブックで「われわれの国土と国民に対する危害と脅威がなくなるまで、軍事行動を継続する」と宣言した。

 一方、カンボジア国防省は13日午前、タイ軍のF16戦闘機などによる空爆を受けたと発表。カンボジアメディアによれば、同国西部ポーサット州で橋が損壊した。フン・マネット氏はSNSで、米国に「衛星などの情報収集能力を使い、どちらが砲撃を開始したか検証するよう提案した」と投稿したが、トランプ氏が主張する戦闘停止には触れなかった。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務めるマレーシアのアンワル首相は13日、自身のフェイスブックで、いかなる軍事行動も行わないようタイ、カンボジア両国に要請したと明らかにした。16日にASEAN臨時外相会議を開催し、今回の衝突について協議するという。 【時事通信社】