労働基準法改正の議論が進んでいる。実現すれば1987年以来、約40年ぶりの大改正となる。「労働者」の判断基準から働き方に至るまで、40年前には想定していなかった内容を反映することが議論されており、改正が実現すればとりわけIT企業に与えるインパクトは大きい。 労働時間に関する検討内容はIT企業のエンジニア、特に開発や保守、運用の現場の働き方に影響を与え得る。いずれも労働環境の改善に資するものだが、いざ改正となった時に備え、企業側は体制整備や規定の見直しを検討し、生産性の向上を早急に進め、エンジニア不足に拍車がかかる事態を避ける必要がある。 高市早苗首相は2025年10月の政権発足時、上野賢一郎厚生労働相に「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」を指示した。足元では約2年前から労働基準法の改正について厚生労働省の研究会で検討が進んでおり、2026年に国会に法案提出、