伝送システム研究部 佐藤 明彦 研究員 当所では、地上放送における4K放送サービスの実現に向けた次世代地上放送方式の研究を進めています。次世代地上放送方式のISDB-T3(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial Television Broadcasting, 3rd generation)は、現行地上放送のISDB-Tより伝送容量が大きく、多様な放送サービスを実現するための信号構造を持つ方式で、2025年3月に一般社団法人 電波産業会(ARIB)で標準規格化されました。 ISDB-T3では、移動受信向けの2K番組2つと固定受信向けの4K番組2つを1チャンネルで放送することができ、現行放送より周波数を効率的に利用できます。(図1) 多重化は、映像、音声、番組表、アプリなどの番組やサービスを構成する情報をまとめて、一つ